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タナゴの大学入試問題
  2002年京都府立大学農学部および人間環境学部の前期日程の入試問題として、 タナゴについての問題が出題されました。 タナゴの生態についての説明が詳細に書かれていますので、読んでみてください。

次の文章を読み,問1〜5に答えよ。(25点)
  コイ科のタナゴ類は,日本の河川や池にふつうに生息する淡水性硬骨魚である。 この仲間の雌は産卵期になると,生きた二枚貝の中に長い産卵管を差し込み,数個〜数10個の卵を産む。 雌が産卵すると,なわばり内の雄が貝の入水管付近に精子を放出し,貝のえらの部分で卵が受精する。 その後受精卵はふ化し,えら内で稚魚(前期仔魚)になる。 一方,産卵された貝は,時にはタナゴの卵を出水間から排出したり,何らかの要因で死亡したりして, その結果タナゴの卵も死亡することがある。 しかし、生きた貝内にとどまり無事ふ化し,成長したタナゴ稚魚は,翌年十分に遊泳力をつけて貝から脱出する。 このタナゴ稚魚は,他のメダカやフナの稚魚に比べ,天敵からの逃避能力が高いといえる。 同じ場所に生息する2生物間には,(a)お互いに利益をうる共生関係もみられるが, タナゴ類は産卵のために二枚貝を一方的に利用するようである。 タナゴ類の産卵に利用される二枚貝を含む動物群は世界中で約5万種が知られ,この数は動物では最も種数の多い( A )動物門に次ぐ。 貝類の血液は,一般に呼吸色素として銅化合物の( B )を含むので,無色か淡青色である。 一般に淡水産の貝類は,貝殻の成分である炭酸カルシウムが多く,pH値が7.0より上の( C )性水域に生息し, (b)汚染された水域では生息できない。 一方,汚染された河川に群生している生物として,( D )動物門のイトミミズ類が知られ,これは有機性汚水の指標動物になっている。 これらの貝類とイトミミズ類を含む動物群は系統的に近縁で,一般に形態的に類似した( E )と呼ばれる幼生期をもち, 成体の口は胚発生過程の( F )から形成される。

問1.上の文章中のA〜Fに該当する適当な語句または生物(群)名を記せ。
問2.淡水性硬骨魚類は多量のうすい尿を排泄する。その理由を50字以内で説明せよ。
問3.動物の生存曲線は種によって異なるが,タナゴのそれは右図の曲線のうちどれに近いか記号で答え, その理由をその他の3生存曲線と比較し,100字以内で説明せよ。
問4.下線部(a)の一例として,昆虫のアリとアブラムシ(アリマキ)との関係がある。 下記のカッコ内の語句のうち4つを用いて,アリとアブラムシの共生関係を50字以内で説明せよ。
(食物連鎖,甘露,ホルモン,排泄物,天敵,密度,すみわけ,求愛行動,防御,清掃,産卵,警報フェロモン)
問5.下線部(b)の最も大きな理由を下の(ア)〜(エ)から1つ選び,記号で答えよ。
(ア)汚濁物質によって水底における移動が妨げられる。
(イ)水中の酸素濃度が低いので,呼吸が困難になる。
(ウ)主要なえさとなるプランクトン類の生息数が少ない。
(エ)産卵の場所となる水生植物類が少ない。

[解答]
問1.A:節足 B:ヘモシアニン C:アルカリ D:環形 E:トロコフォア F:原口
問2.淡水の浸透圧は体液より低く体内に多量の水が浸透する。体内の浸透圧を保つため,低張尿を多量に排出する。
問3.曲線A  理由:卵から稚魚期を二枚貝のえら内で過ごすため,若齢個体の死亡率が低いので, 若齢個体の死亡率の高いC・Dや齢による死亡率の変化がないBにはならず,多くの個体がある程度まで生存するAのグラフになる。
問4.アリはアブラムシを天敵から防御し,その代わりにアブラムシの排泄物を甘露として受け取って栄養とする。
問5.(イ)

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